仕事がマンネリ化してきてindeedを眺める30代が小説「コンビニ人間」を読んでやる気が出た話。

仕事

仕事に慣れてきた頃、特にイレギュラーなことも起きない日々の中で漠然とした不安感に襲われることはないでしょうか。

漠然とした「このままでいいのか」「なんか退屈だな」「転職しようかな」と思いの中で、

なんとなくindeedを見ながら、日々をこなす。そんな時期がないでしょうか。

「コンビニの『声』が聞こえるんです」

このセリフはコンビニ人間に出てくる終盤のセリフです。宗教の話、ではありません。

むしろ「コンビニ店員の『プロ』のセリフ」だと、物語を読むとそう感じます。

店舗販売をしていると、新鮮なのは最初の数ヶ月、長くても1年ではないでしょうか。

春夏秋冬、シーズンを経験すると基本的にはその繰り返しです。

「いらっしゃいませ」「少々お待ち下さい」「お待たせいたしました」「申し訳ございません」「恐れ入ります」「かしこまりました」「ありがとうございます」

接客7大用語を呪文のように言いこなし、大切な人への「大好き」や「ありがとう」よりもおそらく人生で最も口した言葉ベスト7になるであろうこの言葉たちを使いこなし、

商品が入る、陳列する、接客する、レジをうつ。商品が入る、陳列する、接客する、レジをうつ。これを繰り返していく人生か、、となります。

売り上げが良かった日、悪かった日を分析したりはするけれど、お客さんがたまたま購入したかそうでないかの違いでしかないと、正直思っていました。

当たり前のように、いつものルーティンをこなしていく。慣れは円滑に業務をこなせるいいことだけど、退屈怠慢を生む悪いことでもある気がします。

「目の前で起きていることは変わらないのだから、視点を変えることで、楽しみ方を変えよう。」

そう思わせくれるたのがこの「コンビニ人間」でした。

「私にはコンビニの『声』が聞こえて止まらなかった。」コンビニがなりたがっている形、お店に必要なこと、それらが私の中に流れ込んでくるのだった。」

「私ではなく、コンビニが喋っているのだった。私はコンビニからの天啓を伝達しているだけだった」

こういった感覚でお店を見て、商品を見て、お客さんを見てみると、翌日からの仕事は非常に新鮮でした。

ある時は商品を引き立てる「演出家」の気分

ある時は店舗は舞台で、商品は小道具、自分は「舞台俳優」の気分

(キューティーハニーな気分?)

そういった一人遊びの視点を心に秘め、仕事を楽しむ工夫を覚えました。

これは逃げでしょうか。

いや、きっと違います。なぜなら、次は舞台俳優や演出家の人の本を読みたくなっている自分がいます。

退屈や怠慢が新しい発見、刺激がないことが原因だとすると

いつもの変わらない「退屈」を「視点」を変えるだけで、「新鮮さ」を手に入れらることを実感しました。

大それた、労力もいる転職などよりよほどローコストでコスパが良いと感じました。

月並みですが、向き合っている「事象」が変わらなくても、捉え方で心持ちは変わってくるみたいです。

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